カーボンプレート搭載のランニングシューズ その仕組みと効果 メーカー別比較

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みなさんこんにちは
ランニングシューズマイスターのユウヤです(@shoesmeister

2021年の箱根駅伝。駒沢大学の逆転勝利で幕を閉じましたね。
本当に今回はどこが勝つのか予想ができなかったレースでしたが、ランニングシューズにおいてはNIKEの圧勝・・・
昨年を超えて全選手の95%以上の選手がNIKEのズームヴェイパーフライNEXT%、アルファフライNEXT%を履いていました。

もはやここまで来るとシューズによる優位性はほとんどありませんが、多くの選手がこのシューズに魅了されているのは間違いないことです。

このNIKEのズームヴェイパーフライをきっかけにカーボンプレート搭載のランニングシューズが一気に注目が集まり、各メーカーからもこぞってカーボンプレートを搭載したレーシングシューズを打ち出しています。

ですが

カーボンが入っているとなんで良いの?
みんな履けば速くなれるの?

なんて質問も結構聞きます。

もちろんカーボンプレートにはメリットだけでなくデメリットもありますよ。
誰でも履けるようなシューズでないことは確かです。
今回はカーボンプレートの効果と、オススメのカーボンプレート搭載ランニングシューズを紹介したいと思います。
なぜ多くの選手がヴェイパーフライNEXT%やアルファフライNEXT%を履いているのか、この記事を読めばそれが理解できるはずです。

その前に、2021年の箱根駅伝を少し振り返ってみましょう。

箱根駅伝選手が履いたランニングシューズのメーカー

昨年の8割超えで騒がれただけあって今年はそこまで驚かれませんでしたが、約96%の選手がNIKEを選択。
もうここまでくるとシューズの優位性はなくなりますね。

NIKE以外のシューズを履いていたのはたったの9名。

MIZUNO 3人
adidas 4人
New Balance 2人
asics 0人

もはや絶滅危惧種・・・

アディダスのadios proは評判が良かったのでもう少し使用者が多いかなと思っていましたが、4人と非常に少なかったです。

区間賞を獲得した選手もほとんどNIKEのシューズを履いていましたが、実は7区のみ違いました。
東京国際大学の佐伯選手はNew BalanceのFuel cell 5280を履いての区間賞。なんとか区間賞全員がNIKEという事態は免れましたね。

しかし、これらのシューズにおいてもNIKEと同様に共通点があります。

プレート素材で反発性をあげている。

ウエーブデュエルネオに関してはカーボンプレートではないですが、すべてのシューズにカーボンプレートをはじめとした反発性を高めるプレート素材を搭載しています。

必要とされているのはやはり反発性による推進力なのでしょうね。

カーボンプレートのメリット

すべての選手から求められるプレートによる反発性ですが、まずはこのカーボンプレートの良いところから

超高反発によるから得られる推進力

エネルギーロスが少なく効率良く推進力を発揮できる

カーボンプレートのメリットはシンプルに言えばこの2つ。
硬いプレートが接地時に曲がり捻れた後、急激に戻ろうとする力が推進力となって爆発的なスピードをもたらしてくれます。
トップアスリートの短距離のスパイクにはオーダーメイドで入れられており、スピードを得るためのファクターとしては以前から利用されていましたが、これをマラソンシューズにも応用したわけです。

また、カーボンプレートが入れられていることによって一方向に重心移動を促してくれるため、重心移動のロスが少ないのも良いところ。

世はスピードレース時代。推進力を生み出す高い反発性は、高速レースを制するために左右線で必要になるファクターなのでしょう。

カーボンプレートのデメリット

カーボンプレートは圧倒的な反発力を得られる大きな武器でありますが

屈曲性が低いので足部の剛性が低いと扱えません

屈曲性と安定性についての記事でも述べていますが、シューズの屈曲性が高ければ足部の剛性や下肢体幹の筋力が不十分でも外にブレることは少ないですが、屈曲性が低いシューズではその筋力が弱いと重心移動ができず外側に逃げてしまいます。
そうなれば十分な推進力も得られず外側への負担が増して走り続ければ腸脛靭帯炎や鵞足炎に繋がります。

要するに

誰でも使えるものではない

ということです。

箱根駅伝の選手に憧れて同じモデルを買っても、練習が積めていないランナーはその能力を全く活かせず逆に怪我をしてしまいます。

カーボンプレート搭載のランニングシューズは誰におすすめ?

大きなメリットもあるけど使用者を選ぶカーボンプレート搭載のランニングシューズ。

どんな人におすすめかといえば

スピードレースを制したいトップレベルのランナー
中足部から前足部にかけて接地して強く蹴り出すような走り方の選手

初心者にはおすすめできません。間違いなく怪我します。
100kmのウルトラマラソンでも難しいように個人的には感じます。(これは長い距離を中足部から前足部での蹴り出しで維持して走るのは負荷がかかりすぎるから)

もしはじめて使うならフルマラソンよりもハーフマラソンや10km走などスピードも必要になるレース用にしても良いかなと思いますね。
すでに中足部から前足部にかけてで接地して走っているようなランナーさんなら移行しやすいですが、これまで後足部からの接地で走っているような人はコレ履いて走るだけで動きが変わるので、走りにくく感じるでしょうし、じっくりフォームや接地方法を移行していく必要がありますね。

おすすめのカーボンプレート搭載ランニングシューズ

NIKE ズームヴェイパーフライNEXT% アルファフライNEXT%

言わずもがな傑作品
なぜこれが最も選ばれるかといえば、カーボンプレートは硬く反発性が高いことで高い推進力を得られますが、これだけだと足への負担が大きいので、マラソンなどの長距離での使用は難しいです。
そのため、クッション性が高いミッドソール素材で挟むことで反発性とクッション性を両立させたのです。
厚底だけではセーフティタイプのシューズと変わりませんし、カーボンプレートだけだと硬くて長く走れない。厚底×カーボンという組み合わせはまさにマリアージュだったわけです。

ヴェイパーフライもアルファフライもそのミッドソール素材が非常に優秀で軽量性、反発性、クッション性が高い次元でバランスが取れています。
筋力がなければコントロールできないまさにF1カーですが、使いこなせればパフォーマンスを最大限に引き上げてくれるでしょう。

adidas adios pro

5本指カーボンバーという新しいカーボンの形状を取り入れたアディダスの厚底カーボンシューズ。
LitestrikeproというNIKEのZOOMXフォームと同じような軽量かつクッション性と反発性の高い素材をミッドソールとして取り入れ、カーボンバーを挟むように入れている。それにより長い距離でも負担を減らしつつ推進力を維持できるようにしたアディダスの傑作品の1つ。
5本に別れたことから足趾の機能を求められる代わりに指一つ一つにしっかり力が入るので、非常に効率が良い。
ヒールカップの形状やアウトソールの形状から、ヴェイパーフライやアルファフライよりは安定性が確保されているため、アマチュアランナーでも好んで使用する方も多い。

New Balance FUELCELL RC Elite

フルレングス(靴全体に)カーボンプレートを採用したNew Balanceのスピードランナー向けランニングシューズ。
全面に使うことで重心移動が非常にスムーズになり余計なロスがないのがメリット。
ただ後足部にも使用するため、接地時はやはり少し硬く感じます。
よりクッション性が欲しい場合はFUELCELL TCにしてもいいでしょう。

asics メタレーサー

asicsの厚底×カーボンのランニングシューズ。
メタライドやグライドライドから継承、研究されてきたライド機能によるスムーズな重心移動が少ないエネルギーでも推進力を生み出し、そこにカーボンプレートを入れることでそのスピードを上げる。
不安定性を抑えるアッパーとヒールカウンターのつくりと、ガイドソールによるライド機能でブレる前に重心移動をしっかり誘導するというasicsの高いサポート能力がカーボン搭載シューズに使いやすさを与えました。
箱根駅伝では使用されませんでしたが、メタレーサーが一般ランナーさんにも一番オススメしやすい厚底カーボンシューズかもしれません。

アシックス初のカーボン入りシューズは他とは全然違う! asics メタレーサー【レビュー】

2020.06.29

DESCENTE GENTEN EL

一昨年にDESCENTEから数年ぶりに発売されたランニングシューズのフラッグシップモデル。
これは厚底シューズではないですが、トラックレースや10kmなどの短い距離でのスピードレースではめちゃくちゃ良いです。
カーボンプレートによる反発性もそうですが、グラフェンというグリップ性の高い素材を使用しており、蹴り出し時のグリップ感が他のどのシューズよりもいいです。

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2019.11.23

MIZUNO ウエーブデュエルネオSP

これはカーボンプレート搭載のランニングシューズではありませんが、独自のプレートの搭載で反発性も高く、適度なミッドソールの高さでクッション性と反発性のバランスが良く短距離から長距離まで万能に使えるランニングシューズです。
今回の箱根駅伝でもカーボンプレートではない唯一のシューズとして活躍しました。
カーボンの硬さがフィジカルとしてもまだ不安がある人はこのウエーブデュエルネオを試しに履いてみても良いかもしれないですよ。

次元の違う反発性 やっぱり凄かった! ミズノ ウエーブデュエルネオ【レビュー】

2020.07.07

 

カーボンプレート搭載のランニングシューズは好記録を出すため、ライバルとのスピード勝負を制するため、非常に優れた武器だと思います。
しかし、優れた武器を扱うには扱うものに要求されるレベルも高くなります。
「シューズに合わせる身体づくり」なんて言葉もありましたが、乗り物の性能は乗り手の能力次第です。
使いこなしたければ、しっかり練習を積むことが一番の近道です!

もしこれらのシューズが良いなと思ったら

是非お近くのショップに試し履きに行って下さい!

足の大きさや長さ、感覚などは十人十色
実際に履いてみないとわからないことがたくさんあります
「これが良いと言われた」「これ良さそうだなぁ」と思って試し履きしないで買って履いてみたら全然思っていたよりも違ったなんてことは結構多いです。
返品すれば問題ないこともありますが、そんな面倒なことするなら、是非一瞬でもショップに行って自分で履いた感覚を確かめてくださいね。
商品リンクは貼りましたが、あくまで金額や詳細などの参考までに
もし自分に合ったシューズがわからないという方はお問い合わせください
あなたの動作、足部、競技に合わせたシューズのフィッティングや選択をお手伝いします

最後までお読みいただきありがとうございます。

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ABOUTこの記事をかいた人

石田 佑也

理学療法士、トレーナー、インソール/ランニングシューズマイスター 自身の陸上競技経験とランニングシューズオタクの知識、理学療法士としての医学的知識を活かして、出張でのオーダーメイドインソールの作成やランニングシューズの選び方、履き方について指導。年間200足以上のインソール作成やセミナー講師など大きく活動の幅を拡大中。