みなさんこんにちは
ランニングシューズマイスターのユウヤです(@shoesmeister)
ありがたいことに毎年沢山の人に読んでもらっている「おすすめランニングシューズ 短距離選手編」
長距離ランナー向けのシューズ紹介は多いけど、短距離選手向けの紹介記事は少ない。
今年も理学療法士、シューフィッター、現役短距離選手としての目線から短距離のアップシューズでおすすめのシューズを紹介したいと思います。
この記事を読んだらきっと
目次
- 1 短距離選手のアップシューズに必要な要素
- 2 短距離選手向けおすすめランニングシューズ
- 2.1 高反発性と高グリップ性でしっかり加速できる asics ターサーエッジ
- 2.2 フラットソールとミッドソールの硬さが反発力と推進力を生み出す MIZUNO ウエーブソニック2
- 2.3 使いやすさ抜群! 中足部のドロップで骨盤を起こしてくれる デサント GENTEN-ST
- 2.4 陸上部のために作られたスピードトレーニング用シューズ adidas アディゼロ RC2
- 2.5 部活生の相棒 トラックでも坂でもガンガン使える NIKE ズームライバルフライ
- 2.6 スパイクを履いたような感覚 MIZUNO ウエーブデュエル
- 2.7 スプリンターなら1足は持っていて損はない!トレーニングシューズ MIZUNO レーシングスター・asics ウインドスプリント
- 2.8 絶妙なフィット性と軽量性で速い回転をサポート New Balance HANZO V2
- 2.9 超万能トレーニングシューズ MIZUNO ビルトトレーナー2
- 2.10 屈曲性とクッション性のバランスが良いフラットソールモデル asics ゲルフェザーグライド5
短距離選手のアップシューズに必要な要素
○ミッドソールの反発性と硬さ
地面を最大出力で押した時にしっかり推進力に置き換えるためにはシューズ全体の屈曲性が低いこと、いわゆるソールが硬いことが大事です。
スピードを出すにはこの反発性が必要不可欠になりますね。
○フォア〜フラットな接地をサポートするフラットソール
短距離では前足部から中足部(内側縦アーチ付近)にかけて着くのがフォア〜フラット接地と言いますが、この接地よりアキレス腱及び下腿三頭筋が引き伸ばされその伸張反射により爆発的な蹴り出しができるようになります。
○後足部のブレを抑えるヒールカウンターの足入れ
これは短距離、長距離関係なくではありますが、シューズを選ぶ上でめちゃくちゃ大事です。
必ず試し履きしてほしいのはヒールカウンターの足入れの相性が良いか悪いかを試してほしいからです。
○回転力を上げるための軽量性
スピードトレーニングにおいて重要なのはやはり回転力など足さばきのスピードです。
重いシューズはどうしても動きが悪くなりやすいですし、逆に軽すぎても空回りするので、本来のテンポが崩れてしまいます。
自分の走りのテンポを崩さない重さが大事ですね。
以上の4つの要素を踏まえて、おすすめしたいランニングシューズが以下のものになります!
短距離選手向けおすすめランニングシューズ
高反発性と高グリップ性でしっかり加速できる asics ターサーエッジ
短距離用アップシューズとして長くおすすめしてきたターサージール6と同様、硬さもありグリップ性が高いシューズで、しっかり蹴り出して加速できるシューズ。
ジール6のシューレースの方が短距離的には向いているかなとは思いますが、反発性はこちらの方が高いのでスピードは出しやすいです。
アシックスのヒールカウンターの足入れの良さはもちろん最高。
・しっかり地面をつかめるグリップ性を重視したい人
・ミッドソールの硬さを利用してしっかり反発をもらいたい人
・接地時に足がブレやすい人
・足幅が狭く甲が高い人
フラットソールとミッドソールの硬さが反発力と推進力を生み出す MIZUNO ウエーブソニック2
個人的に最高の短距離選手用アップシューズの一つだと思っている1足。
低ドロップのフラットな作りと低屈曲性のミッドソールによりフォア〜フラット接地と地面をしっかり押す走りができるのがこのシューズの大きな特徴ですね。
アーチの頂上でしっかりプッシュすることで、足部から頭部にかけて1本の軸となって大きな推進力を得ることができ、その練習をするにはとても良いシューズ。短距離を始めたての人にもオススメです。
数あるランニングシューズの中では非常に安価なのにこの性能はビビる。
スプリンターなら買って損はないです!
・足幅が狭くて甲が高い人
・練習場所がトラック以外に校庭やアスファルトが多い部活性
・軸づくりをしたい短距離初心者
使いやすさ抜群! 中足部のドロップで骨盤を起こしてくれる デサント GENTEN-ST
2019年12月にデサントから出たランニングシューズ GENTENシリーズのスピードトレーニングモデル。
シリーズの中では最もオーソドックスな作りではありますが、ミッドソールは十分硬く反発性は十分。
グリップ性抜群なグラフェン搭載のGENTEN-RCでも良いですが、STでも十分スピードは出せます。
(もしグリップ性を重視したい人はRCも試してみましょう)
日本人は骨盤が後傾しやすく前方への重心移動が苦手です。しかしGENTENは中足部に急なドロップを作ることで重心移動のサポートをしてくれるので、骨盤をしっかり起こした状態で反発をもらいやすいのが大きな特徴です。
・フィット性を重視したい人
・ミッドソールの硬さを利用してしっかり反発をもらいたい人
・軸づくりをしたい短距離初心者
・もしグリップ性も欲しいならRC
陸上部のために作られたスピードトレーニング用シューズ adidas アディゼロ RC2
低屈曲性で弾むような反発性を得られるスピードトレーニングモデル。新しいモデルになってからクッショニングも軽くなり、変に硬く感じることもなくなりました。
前作よりも軽くなり使いやすさは更に増しましたね。
BOOSTを使っていないので、逆に沈み込むような心配がないので、短距離初心者でも安心して使えます。
アッパーの耐久性もいいので、部活性が練習で使い込んでくれることを願って作られたモデルです。
・ミッドソールが硬くグイグイ進んでいく感覚が欲しい人
・1足で練習やアップをしていきたい人
・足幅が広く甲が低い
部活生の相棒
トラックでも坂でもガンガン使える NIKE ズームライバルフライ
今や陸上競技大会で最も見かけることが多いのではないかと思うくらい大人気のシューズ。
ラバーのグリップ性が高いフラットソールでスピードが出しやすいですが、ミッドソールのクッション性もあるため、坂やタータンなどでも足の負荷が抑えられます。
ヒールカウンターがペガサス36と同様の形状で、アキレス腱へのストレスやブレを軽減してくれます。
メッシュアッパーと軽量かつ高反発なからクッション性も高いミッドソールでドリルからスピードトレーニングまでオールラウンドに使えます。
アウトソールの耐久性も高い上、安定性も良いので、部活でガンガン使えるシューズです!
すでにズームライバルフライ2が出ていますが、現時点ではこちらをおすすめしています。
・足幅が広く甲が低めの人
・場所を選ばずガンガン使って行きたい人
・フラットタイプが良いけどまだ足への負荷に不安がある人
スパイクを履いたような感覚 MIZUNO ウエーブデュエル
エンペラーに代わって登場したレーシングシューズ。
これが短距離にとても向いており、ミッドソールに入っているプレートが高い反発性を生み出しスパイクを履いているような感覚で走れます。
エンペラーよりは屈曲性は低くなりましたが、プレートの恩恵で前方へ自然を進める感覚が増し、よりスピードが出しやすくなりました。
後述するレーシングスターやウインドスプリントのようなタータン中心に使うシューズ以外にも使いたい場合は間違いなくこのシューズをおすすめします。
・グリップ性を重視したい人
・ミッドソールの硬さを利用してしっかり反発をもらいたい人
・スパイクに近い感覚で走りたい人
・足幅が狭く甲が高い人
スプリンターなら1足は持っていて損はない!トレーニングシューズ
MIZUNO レーシングスター・asics ウインドスプリント
ミズノとアシックスの傑作品の一つですね。
かれこれ何年売られているのでしょう。完成度の高さがハンパないです。
スパイクに近い感覚を得られる「スプリント用シューズ」
レーシングスターもウインドスプリントもフラットタイプの作りですが、ウインドスプリントの方が比較的レーシングスターよりも前足部の反り上がりがあり、フォアフット〜フラットな接地がしやすく下腿後面の伸張反射が得やすい作りになっています。
他のシューズは低屈曲性とは言えある程度は屈曲できますが、トレーニングシューズは屈曲性がほとんどないので、ロスがなくスピードがでますが、負荷は少し大きいです。
アーチ補正もないので、扁平足の人や開張足の人は足底を痛めやすいので、足部のトレーニングも必要です。
ジャンプ系トレーニングなどもガッツリやりたいという人は少しクッション性もあるシューズを併用して使用することをオススメします。
シーズンが始まる前のスピードを出していく頃にバカ売れする商品の一つですね
ウインドスプリントはベルトタイプで少し甲が低めにできているので、圧迫感が強い人はレーシングスターを選ぶと良いと思います。
・スパイクに近い感覚が欲しい人
・負荷を抑えてのスピードトレーニングがしたい人
・フラット接地による軸と伸張反射で推進力を出していきたい人
絶妙なフィット性と軽量性で速い回転をサポート New Balance HANZO V2
ミムラボとの共同開発で新しく生まれ変わったHANZOシリーズのR
なぜRかといいますと、より軽いSはミッドソールが少し柔らかく高屈曲性のため、短距離の動きとしては比較的硬くて低屈曲性の蹴り出しやすいソールが有効なので、Rを選びました。
単独記事にも書きましたが、この新しいHANZOは他のシューズの追随を許さない絶妙なフィット性があります。
中足部から後足部をホールドしてもらった上で前足部がフリーであるため、足趾の機能も十分に活かせます。
そしてオススメシューズの中では最も軽いです
ドリルや流しなどで回転を上げていきたいという人にはHANZOがオススメですね!
・脚の回転を上げたい人
・足幅が狭くて甲が高い人
・フィット性を重視したい人
・足趾を使えるようにしたい人
・アーチサポートが少ないので土踏まずがしっかりある人
超万能トレーニングシューズ MIZUNO ビルトトレーナー2
超おすすめシューズの1つ。
冬季練習中に使っている選手が多く、トレーニングシューズだけあってこの10選の中ではもっとも重さがありますが、実際履いてみるとそこまで重さは感じません。
軽量性を求める人はレーシングスターやウインドスプリントがオススメですね。
ヒールカウンターのフィット性がとても良く素材がなめらかなのでスパイクに近い感覚もあります
アウトソールはタータン向けのためG3ソールのようなグリップ性能はないですが、そんなに気にはならないです。
フラットタイプの作りであるため、反発力が良く短距離、跳躍系の種目の選手には大人気の商品ですね!
・スプリント、バウンディングなどをフラット接地で練習したい人
・冬季練習でガンガン使い込みたい人
屈曲性とクッション性のバランスが良いフラットソールモデル asics ゲルフェザーグライド5
意外とおすすめし続けている短距離初心者にも使いやすいモデルだと思います。
フラットソールでの接地感を覚えられる上に安定性も高いモデル。比較的中足骨部周囲の面積が広く作られているため、縦アーチ頂上での接地による軸づくりをサポートしやすいシューズになっています。
ミッドソールは中足部から後足部にかけて硬く、屈曲性が低いのでスピードは出しやすいです。
・接地する際の軸づくりを重視したい人
・足幅が狭く甲が高い人
・短距離初心者
・硬さと軽さとクッション性のバランスの良さを重視したい人
多くの選手やランニングシューズを見てきて選んでみましたが、短距離選手用のシューズはフィルターを大きくかければそれほど必要な要素は多くはないです。(もちろんもっと向いているシューズもあるかもしれません)
1足ですべてのトレーニングや動きを網羅できるスーパーシューズは存在しませんが、自分がどんなトレーニングをしたいのかが分かれば、必要な要素をもったシューズを使用することで良い動きに繋がったり怪我を防ぐことができると思いますので、是非参考にしてみてください。
いつも言っていることですが、このシューズが良いなと思ったら
是非お近くのショップに試し履きに行って下さい!
足の大きさや長さ、感覚などは十人十色
実際に履いてみないとわからないことがたくさんあります。
「これが良いと言われた」「これ良さそうだなぁ」と思って試し履きしないで買って履いてみたら全然思っていたよりも違ったなんてことは結構多いです。
返品すれば問題ないこともありますが、そんな面倒なことするなら、是非一瞬でもショップに行って自分で履いた感覚を確かめてくださいね。
商品リンクは貼りましたが、あくまで金額や詳細などの参考までに。
もし自分に合ったシューズがわからないという方はお問い合わせください。
あなたの動作、足部、競技に合わせたシューズのフィッティングや選択をお手伝いします。
最後までお読みいただきありがとうございます。