ライフスタイルに合わせた補食の摂り方

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6月3日に行われた第18回目となるSports Connecters勉強会

スポーツ栄養士 佐藤彩香による食戦略のお話の第2部のまとめです
第1部は前回の記事を御覧ください
関連記事:夏バテを防ぐ栄養摂取と水分補給方法

ライフスタイルに合わせた補食の摂り方

強い選手ほど食べている!

体操の内村航平選手のように稀にあんまり食べないで記録を出している人がいますが、基本的には身体を作るのは食事です。
食べないでも強くなれるとはあまり考えてほしくないですね。
以下が各競技で必要とされているエネルギー摂取量のグラフです
これを参考にすればサポートしている選手がどれだけ食べる必要があるのかを大凡把握することができます
数値が高くなってくるほど3食の食事だけではなかなか摂取することが難しくなってくるので、補食を上手く利用することが必要ですね

男女アスリートの競技種目別目標エネルギー摂取量

「アスリートのための栄養・食事ガイド」(第一出版株式会社)より

1日に使うエネルギーの計算方法

上記は競技別の目安ですが、更に個別性をみる上では電卓を使って計算をしてみましょう!

◯除脂肪体重(LBM)を求める
体脂肪量(kg)=体重(kg)×体脂肪(%)÷100
除脂肪体重=体重(kg)-体脂肪量(kg)

◯基礎代謝を求める(アスリート用)
=除脂肪体重(kg)×28、5

◯身体活動レベル;持久系、球技、瞬発系など別れる。

◯1日の消費エネルギー量は?
=基礎代謝×身体活動レベル

シーズンによっても競技によってももちろんレベルが違うので、選手や期に合わせたエネルギー計算をして、必要なエネルギー量を把握した上で食事指導することが大事ですね!

小中学生の補食の考え方

親御さんの強力不可欠

小中学生の栄養管理に関しては親御さんのご理解・ご協力が不可欠になってくるので、練習の際に積極的にコミュニケーションをとっていきましょう

食べる習慣をつけさせ、食べることの抵抗感をなくす

小中学生の時にしっかり食べるという習慣がつかないと、高校・大学生以降に食べれない人が多いです
高校・大学生になってから急に食べれるようになるってことはなかなかないので、後々苦労することですね
いかに「朝ごはんを食べる」を当たり前に、抵抗感なくできるかがこの時期大事になってきます。

環境を整える。孤食をさせない

この時期は「食べる楽しさ」というのも家族を通して感じることで、食事が強制的なものと感じられないようにすることが大事です

実際の補食は?

<練習前>
練習までの時間がない場合、120〜150gの普通のおにぎりだと視覚的に「時間ないし食べ切るには多いかなぁ」と食べるのを敬遠する選手が多いです。なので50gくらいのライスボール(たんぱく質、ビタミンbが入っている肉、魚、卵、大豆製品を具に)を2,3個用意することで、トータルでは同じくらいの量だけど視覚的に「パッと食べられる」印象になります。
見た目で食べられないという感情を与えずに短時間で食べられるような工夫をしてあげましょう。
なかなか用意できない時はバナナやゼリーなどでもOK
練習までに時間のある人は糖質がとれてタンパク質が消化しやすいようなお弁当を用意できると良いです

<練習後>
30分以内に取れない場合はおにぎりやサンドイッチ、バナナなどの補食を入れてあげましょう
夜ご飯は就寝3時間前であれば主食・主菜・副菜・汁物をしっかり摂りましょう。(思う存分食べてください!)
就寝2時間前は少しご飯を少なめにして、脂質は抑えめにしましょう。(練習直後の補食をうまく利用しましょう)
就寝1時間前はくたくた煮込みうどん、雑炊、スープ類などで軽く済ませる。(おにぎりなどを練習直後の補食に入れてあげましょう)
摂取量のトータルはどの環境でも同じが良いので、補食を上手く利用して摂取量をしっかり確保しましょう!

高校・大学生以降の補食の考え方

自分で判断する

競技と食べることを少しずつ関連させる

補助も上手く取り入れ出す

増量、減量などの目的に応じて

基本的な考え方は小中学生と変わりません
しかしスケジュールの大きな変化や、自ら食べ物を買ったり摂れる環境に変わり、そして自分がどれだけの体重が必要なのかを考えるようになるため増量減少を考えるようになる歳になるので、どれだけ補食などで+αしていくかが大事になります。
自分で情報を集めたり自分のお金で補食などを用意することができるので、正しい知識を伝えましょう!

ベースは変わらず、補助を上手く使いながら、練習のバランスを見て組み立てていくことが大事です。
補助も色んな種類があるので、何が必要なのかを見極めましょう!

増量・減量の際の補食の摂り方は?

増量の際は補食を積極的に。
こまめに摂ることが大事です。一度ではなかなか吸収できません。
(こまめにたんぱく質を摂ることで身体も大きくなりやすいという研究リサーチあり)
補食としては糖質、たんぱく質をしっかり一緒に摂れるものを選びましょう
例、おにぎり、サンドイッチ、バナナ、オレンジジュース、グレープフルーツジュースなど

減量の際は補食は最低限。
運動の強度がそこまで高くない場合は、水分だけとって、空腹の中運動をする。
練習後、三食で糖質は摂ってもらうので、補食の考え方としては、たんぱく質やビタミンなどが摂れる補食を選びましょう。
例、ナッツ、デーツ、ヨーグルト、豆乳、チーズなど

合宿や遠征先での補食の考え方

海外遠征では特にそうですが、慣れない環境になり、普段の食事と全然違うことになることもあるため、食べ慣れているものをいくつか持参することをおすすめします。
いつも食べている補食やプロテイン、ふりかけ、ドレッシングなどを持っていくことで「全く食べれそうにないものが出てきても、自分でいくつか持ってきているから対処できる!」という感じで精神的ケアにもなります。
遠征先で全然食べれない選手もたくさんいますので、是非自分の体調・マインドコントロールのためにもいくつか自分で食べ慣れているものを用意させておきましょう!

 

人によって目的、ゴールは違います。だからこそ食事も違うはずです。
補食を上手く組み合わせることができると、選手は強くなります。
是非そのチーム、選手にあった補食の選び方を教えてあげましょう。

トップレベルのアスリートをサポートしている経験と膨大な知識をわかりやすく伝えてくれたので、参加された方にとってはとても濃い時間になったのではないかと思います。
次回は7月1日になります!
詳しくはFacebookページを御覧くださいませ

最後までお読みいただきありがとうございました!
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ABOUTこの記事をかいた人

理学療法士、トレーナー、インソール/ランニングシューズマイスター 自身の陸上競技経験とランニングシューズオタクの知識、理学療法士としての医学的知識を活かして、出張でのオーダーメイドインソールの作成やランニングシューズの選び方、履き方について指導。年間200足以上のインソール作成やセミナー講師など大きく活動の幅を拡大中。