コーチの頭の中 〜コーチとして大切にしていること〜

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みなさんこんにちは
スポコネ編集長、ランニングシューズマイスターの石田佑也です

スポーツチームを改革するProject Based Learningが遂に始まりました

TEAM 〜チームを成功に導くフォーメーション〜

NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブ様との共同企画のイベント
より良いチームにするには、チームに関わるスタッフがより密に情報共有して互いの頭の中を知った上でフォーメーションを作ることが大事と考えて始まりました

今回はチームの軸となるコーチについて

コーチについて理解することで、よりよいチームのフォーメーションができる。
コーチが他の職種がもっている疑問を把握することで、さらによいチームのフォーメーションになる。
そんな良い連鎖を各現場で起こしてもらうのが今回の狙いです。

今回も栄養士、理学療法士、トレーナー、コーチなど様々なバックヤードの方に参加していただきました
平日の夜にも関わらずお越しくださった皆様ありがとうございました

小中学生レベルをNPO法人 Football Community千代田 代表理事 中村圭伸さん、高校生レベルをスポーツコーチングイニシアチブ 理事 石渡圭輔さん、大学生レベルを武蔵大学女子ラクロス部ヘッドコーチ 橋本南美さんの3名にご登壇いただき、年代別でコーチとして大切にしていることや現在の壁についてなどをお話いただきました

Inside head of coach

子どもたちに選択できる幸せを知ってもらうことが大事

最初はNPO法人 Football Community千代田 代表理事 中村圭伸さん
320名(千代田区の子供の全人口の約10%)もの子供が所属するチームでコーチをされている中村さん
大事にしているのは「子どもたちに選択肢を与え、選択できる喜びを知ってもらうこと」

選手一人一人が司令塔というのを育成思考としてあげており、特にサッカーにおいては素早い判断が求められますが、この判断というものがなんなのかがわからずにただ素早く判断しなさいとは言えません。
選択肢の中から選ぶことを判断であると捉えており、それは子供が選択する時間を大人が作ってあげること
練習の中(与えられた時間)でどれだけ工夫(個性)を出せるかが自立に繋がってきます
そしてそれを認めてあげることが大人の役割であるとのこと

勝負することが教育の一環であるということも大事にしており、「全員試合に出してくれ」などというのはスポーツの本質からズレており、練習のうちからしっかり戦っていなければならない
小さいうちからアピールする、勝ちに行くというマインドが選手を育てるので、中学や高校などその先を見据えた教育方法は子どもたちの積極的な挑戦や表現に繋がっています。

こんなチームがもっとたくさんできたら良いな
と本気で思わせてくれた中村さんの熱いプレゼンでした

コーチにも学ぶ環境が必要

2番手はNPO法人スポーツコーチング・イニシアチブ 理事 石渡圭輔さん
高校女子のラクロスチームのコーチをされており、過去のご自身が経験したダメコーチの一例を出した上で、コーチが指導というものを学ぶ環境や機会がなかったことが大きな問題であると話す石渡さん

イメージとして多いのは過去に自身が競技を経験してそのままコーチとなること
これは「自分がこうだったから」という自身の過去の経験のみで展開されてしまうので、指導の目的が不明確になってしまいます。
その結果スポーツ現場の7割でネガティブ経験という「体罰」「強い選手ばかり優先」「日常的に怒鳴られる」「兄弟との比較」のようなものが今でも多く見受けられるのが事実だそうです。
指導を学ばないことによる負の循環、自分の経験したことをそのまま選手に教えてしまうと、その選手がコーチとなった時にまたその経験だけを教えてしまう。これはスポーツ現場だけでなく社会での人材育成にも当てはまるところですね
こういった負の循環をなくすためにも、コーチが学んだり悩みをシェアできたりする場、PCA(ポジティブ・コーチング・アライアンス)のようなものを日本でも確立していくために2017年からスポーツコーチング・ラボを始められたそうです。

また、関わっている女子ラクロスの指導においての壁についてもお話くださり、中高一環だとフィジカルレベルに差があったり、男子以上に上意下達が強く自由闊達な議論ができなかったり、部活動であるがゆえに介入じ辛い部分があったり、指導が効果を発揮すればするほどチームの一体感を損ねてしまったりなど様々な課題があるそうです。
そんな中、メンタルトレーナーで今会のモデレーターを務められた伴元裕さんをチームにお呼びして「感謝することをパワーに変える」という石渡さん自身がどうしても伝えたかった、やってほしかったということを専門家に任せることで結果チームがまとまり格上のチームに勝つことができ来年のシードを獲得できたという結果がこの4月にありました。
やはりコーチだけでは解決できないことを各プロフェッショナルがサポートすることでチームは進化できるんだなと改めて感じたケースでした。

ラクロスを通して人生を豊かにしてほしい

最後は武蔵大学女子ラクロス部ヘッドコーチ 橋本南美さん
プレイヤーと並行してコーチを務めていた橋本さん、自分自身の中のラクロスのポジションが非常に高いからこそ、1部や3部での環境やマインドの違いなどで指導に苦労されていました。
当たり前の感覚というのは、やはり環境によって違ってきます。
午前練習だけが当たり前のチームと午前午後練習が当たり前のチームでは、そもそも練習量の感覚が違ってきます。この当たり前というのをどれだけ高いレベルに持っていけるかがチームの成長に繋がってくるのではないかと思いますが、学生に上手く伝えるのが難しいとのこと。2番目の石渡さんの時もそうですが、やはりコーチだけで環境やマインドを変えていくのは大変であることがわかります。
そのためにも、他のプロフェッショナルがどのような関わりをすることで変えていけるのかを考えていかなければなりませんね。
現場のリアルというものを知れたプレゼンでした。

教えてコーチ!

質疑応答コーナーでは、参加者の疑問に対して、前回好評だった卓上ベルを利用した○ンマでっかTV方式で3人のコーチが自由にお答えする形を取りました
コーチに直接色々疑問を投げかける機会は殆ど無いので、多くの方から質問や疑問が出ました。
この質疑応答部分はこちらでしっかりシェアしていきたいと思います

Question1:チーム創設の際にどのようにして理念をつくられましたか?

最初に始めたのはサッカーではなく説明会(週1くらいで)
その説明会で「こういう風にやっていきたい」「こういう選手に育てていきたい」という想いを伝えていた。
今現在の話をせず、5年後10年後の話をどれだけお父さんお母さんにわかってもらえるか
「だから今これをやっていて勝てなくても安心して下さい」ということをしっかり説明、話していくことで徐々に増えていきました。

Question2:320人もいるチームだと試合に出る機会も限られてくるが、実力で言ったら下の子供たちに試合の中での喜びをどのようにして教えていますか?

時間だけが選手一人ひとりにに平等に与えられており、公式戦と練習試合で分けていない
公式戦は事前ミーティングでいろんな選手からベストメンバーを聞き、それを基にスタメンを決めている
日々の練習が試合に直結しているということを子供たちにわかってもらうが大事で、公式戦でも練習試合でもみんなが上手くなるための試合である。なので試合は毎回スタメンが違ってくる
出場できる理由や出場できない理由もわかるような仕組みになっている。
面談で「なんでうちの子は出れないんだ?!」と言われるが、150項目ぐらいある評価表を基に、「今こういう状況だから、試合に出る経験を積みたいなら他のクラブに行ったほうが良い」と話している
もちろん人がいなくなれば経営は難しくなるが、ここまでやってあげることがクラブの大事なところだと考えている。
もちろん恨まれることもあるが、ここまで責任をもってやっているので、納得して残ってもらっている。
なので毎週練習試合を組んでいる。公式戦のシーズンになって出れない人のパーセンテージが増えてきたら時間を作って練習試合を増やしている。

Question3:出る理由出れない理由をどのようにして伝えていますか?

合宿のミーティングでコーチが一方的に話すのではなく、まず子供たちに前に出てもらい、発言してもらう
「最近ここが良いよね ここがダメだよね」というような意見を言ってもらい、自分や相手の良いところ悪いところの洗い出しからチームを作っている。
自分がどういう特徴を持っていて誰に勝たないと試合に出れないのかを小中学生が理解している状況にしている。
我々がチームを作っているのではなくて、選手がチームを作っている
その中で自分が誰よりも貢献できるとか、貢献できていないなというところを理解させるということが大切だと思って運営し見守っている
それによりベンチがめちゃめちゃ明るい

Question4:スタッフとの考え方の共有はどのようにしていますか?

週1でミーティングする時間を設け、選手一人一人の名簿をランダムに振り分け、その子に対しての聴取と変化してきたところをみんなに伝えてもらっている。
どのスタッフがどの学年もみられるようにしている
コーチ間での選手の情報のやり取りがスムーズになる
年に1回10か条を各スタッフに細分化してもらい、若干のズレがあることを把握する
これにより大きくズレることはなくなる

Question5:今指導で苦労されていることは?

学生に上手く伝えられていないなというところが
本質を理解して行動すること
ラクロスでも他のスポーツでも同じ状況は2度と来ない
一瞬だけで言えば、右にパスを出せと言えるが、その背景にはディフェンスがどういう風にいたかなどの状況があり、それをわかっていないと、似たような状況でも同じように右にパスを出してしまい「でも以前こうしろって言ってたじゃん」というような状態になる
また、1年生を指導するスタッフがコミュニケーションが上手く取れずメニューを前日に慌てて決めてしまうことが多く、本来の目的を理解せず取り組んでしまっている状態
正解はわかっているので、こうした方が良いとは言えるが、なかなか理解させるまでは難渋している。

Question6:ペナルティや罰走についてどのようにお考えでしょうか?

昔はやっていた
結論から言うと効果がなかった
なんの効果を狙ってやっていたわけではなかったから
できなかったところを指摘して、でも伝えられなかった自分も悪いから、自分も一緒に腕立てをする
上から言ってやらせるのではなく、良いか悪いかは別としてレクリエーションみたいになる。
少なくともダメなことが理解できる
ダメだったことがレクリエーションに転化されてまたフレッシュな気持ちで取り組める

罰走は必要な部分がある(ルールを破った時にどうするかというのは必要)
走らせるのではなく、人を楽しませることを罰ゲームにする(お母さんに愛を叫ぶなど)
理不尽というものを知ってもらうという意味でやっているので、そこまで大きな意味はない

キックオフイベントよりも更にディスカッションや質疑応答が増え、充実した時間になりました
普段コーチがどのような思いで活動しているのかを各プロフェッショナルは知ることができましたし、コーチにとっては各プロフェッショナルがどのような疑問を持っているのか、どのようなサポートができるのかを知る良い機会となったと思います。
後半のワールドカフェに関しては後日またアップします
集合写真でみんなが持っている模造紙がなんなのか
こちらもお楽しみに!

次回は6月にトレーナー(フィジカル)について
スポーツサポートチームでパフォーマンスに最も影響を与えるポジションなだけに、各業種との連携も欠かせません!
今回以上に盛り上げていきたいと思いますので、是非ご参加下さい
詳細が決まりましたらこちらのページでもアップします

最後までお読みいただきありがとうございます
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ABOUTこの記事をかいた人

石田 佑也

理学療法士、トレーナー、インソール/ランニングシューズマイスター 自身の陸上競技経験とランニングシューズオタクの知識、理学療法士としての医学的知識を活かして、出張でのオーダーメイドインソールの作成やランニングシューズの選び方、履き方について指導。年間200足以上のインソール作成やセミナー講師など大きく活動の幅を拡大中。