みなさんこんにちは
最近は代表の佐藤彩香のマネージャーになりつつあるインソール・ランニングシューズマイスターの石田佑也です
気温もだいぶ暖かくなり、マラソン大会やランニング大会も毎週のように盛んに行われるようになりましたね
これから暑くなる季節に必ずついてまわるのが熱中症です。
マラソン大会だけでなく様々なスポーツ現場でも発生事例が多く見られ、死亡事故も毎年多く報道されています。
年間での熱中症による死亡者数は厚生労働省の調べによると、毎年なんと500人以上になっています。
高齢者を含んだ数字にはなりますが、我が子や所属チームの選手、大会参加者にも十分あり得る数字ではあります。
熱中症というと6月から9月にかけてに起こりやすいんじゃないの?と思われる方が多いと思いますが、4月でも十分あります!
先日救護・トレーナーとして帯同したマラソン大会においても3名の熱中症の方が出ました。(この記事を書いてるのが4月です)
4月5月は陽が出ていても風が涼しく給水を十分に取らずに走ってしまう方が多いです。
今回の内容は、選手や自分を守るために、是非知っておいてほしいです。
目次
危ない怪我・事故ってなに?
トリプルH
Head:頭部外傷
Heart:心臓(心停止)
Heat:熱中症
熱が溜まるとどうなるの? 〜熱中症の病態〜
走ったりスポーツをすることで筋活動が盛んになることで筋血流量が上がることに加え、高気温、高湿度、日光などの環境により体温が上昇し、体内に熱がたまります。
それが続くことで以下のようなことに繋がります
熱失神:末梢血管が開く→皮膚血流量増加(しかし脳血流は低下する)→血圧低下→めまい
熱痙攣:大量の発汗→水分と共にナトリウムを主とした電解質喪失→筋肉の痙攣
熱疲労:脱水、血液濃縮(口渇)→脳血流、内蔵血流低下→全身倦怠感、頭痛
熱射病:循環不全進行→体温上昇(40℃以上)→意識障害
現場での処置
〜I度〜
熱失神→涼しいところで足を高くして横になる。水分補給。冷却。
熱痙攣→やや濃いめの塩分を含んだ(0.9%程度)水や塩分を足したスポーツドリンクを飲ませる。
〜II度〜
涼しいところで横になり、冷水、氷で身体を冷却、うちわ、扇風機で扇ぐ、冷房が効いた部屋に移動。
スポーツドリンク等、自分で水が飲めれば飲ます。
〜III度〜
体温上昇が著しい場合、身体を強力に冷却する。
受け答えがあいまい、名前、日付などが言えないなど、 意識レベルの低下がある場合、経口で水が飲めない場合は救急要請。
冷却
アメリカでは氷水につけるのが最も推奨されています
アイスパックのみでの局所のアイシングは実は冷却効果は低いと言われています
バスタオルを氷水につけて身体全体に当て、上から水をかけながら扇いであげましょう
救急車の搬送は2番であり、1番は冷却です(それで助かる助からないが決まることもあります)
水を飲んだだけじゃダメ! 〜水中毒〜
発汗で大量に血液中の電解質が喪失した状態に大量に水のみを飲んだ場合、血液が急激に薄まり、ナトリウム濃度が低下してしまいます。
水分量が足りてなくても脳は足りていると判断し、尿排泄増加や口渇感がなくなります。
血管内の水分が細胞内に移動し、最悪の場合、脳浮腫や肺水腫で死に至る危険もあります。
水だけでなく塩分補給が重要です
経口補水液は1,2本は常備しておくことをおすすめします。
熱中症 どうやって予防する?
暑いとき、無理な運動は事故のもと
気温や湿度が高いほど熱中症の危険性は上昇。運動強度調節、適宜休息、水分補給を心がける。試合の時 など、長時間暑い環境にいる場合、冷却と休養はしっかり取る。
急な暑さに要注意
熱中症は夏の初めや梅雨明けなどの気温が急に上昇した時に起こりやすい。急に暑くなったときは軽めの 運動にとどめ、徐々に暑い環境に慣らす必要がある。
失われる水と塩分を取り戻そう
夏の運動時1時間に1000mlの発汗が起こることがある。運動後の体重減少が2%を超えると脱水。軽い運動 時は水だけの摂取で良いが、発汗が多い場合や長時間の運動時は、水だけでなくナトリウムの摂取も必要 (大まかには食塩0.1~0.2%、糖分2~4%が良いとのこと。)
薄着スタイルでさわやかに
暑いときは通気性、吸湿性の良い衣服が良い。直射日光には帽子着用が良い。
体調不良は事故のもと
発熱、下痢、かぜ、睡眠不足など体調不良の時は体温調節能も低下するため無理をしない。
練習では必ずウォーターブレイクを
「喉乾いた」はもう手遅れですでに脱水症状です
15分〜20分おきに水分補給はしましょう
体重の3%の水分の減少は脱水状態
体重の1%失うと、パフォーマンスが低下するリサーチが出ています
3〜4%で明らかに低下、5%以上で明らかに低下、20%以上で死の危険に繋がります
運動前30分前から500mlの水分を数回に分けて摂取し、運動中は〜200mlを15分〜20分毎に摂取、練習後は減った分を数回に分けて摂取しましょう
塩分も同様にタブレットやドリンクに塩分を入れるなどで工夫して摂取をしましょう
これから救護・トレーナー帯同される方へ
私は先日の帯同でトリプルHを2つ経験しました
3名の熱中症と1名の心肺停止
救護と周りの方の助けもあり無事でしたが、6年トレーナーやってて心肺停止は初めてのケースだったので、本当に恐かったです
普段クリニックの中での活動が多く心肺停止や突然死などのリスクが低い場所にいてその恐さを忘れていました
普段出くわさないケースだからこそ、起きたときに迅速かつ間違いのない対応ができるように想定、準備が必要です。
これから更に暑くなるシーズン、太陽の下で動くことも増えてくることでしょう。選手や参加者が無事に家に帰れるように、トレーナーは最悪の事態を想定して動いていく覚悟をもっていきましょう
最後までお読みいただきありがとうございました
この記事が良かったなと思った方はSNSでシェアお願い致します
→特に今回の記事は是非拡散していただけると助かります
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。