みなさんこんにちは
ランニングシューズマイスターのユウヤです(@shoesmeister)
昨今の厚底ランニングシューズの人気は衰えを知らないですね。
ですが、果たしてそれがすべてなのか
厚底ではなく薄底が良い!なんていうランナーもたくさんいるはず!
短距離選手や跳躍選手にとっては薄底でスピードが出るシューズのほうが需要は高い。
そんなところに新しいランニングシューズが登場です!
DESCENTE GENTEN 〜 原点 〜
なんとデサントからランニングシューズが出ます!
(デサントと聞くと冬季オリンピックで羽生結弦選手らが着ている代表ウェアなどが浮かびますね)
2019年8月末に行われた「キヌクロ」にて試作品を試し履きをさせて頂いたときから“このシューズめっちゃ良いかも!”と期待しており、11月14日、遂に発表がされました!
私も先日デサントのオフィスに伺い完成品を拝見させていただきました。
(快く対応くださったデサントフットウェア開発部の長尾様 本当にありがとうございました)
試作品からまた進化している!
GENTENのコンセプトは、「新・薄底、新感覚の推進力~日本人ランナーの足を創る~」
ランナー自身の足で地面を蹴る力を無駄なく安定して推進力に変換する
走るための当たり前の機能をシンプルに表現する
「人間が本来持つパフォーマンスを引き出す機能開発」という発想のもと、シューズの機能性に走りを合わせるのではなく、日本人の足、日本人の走りに合うシューズの機能をデザインすることを追求して約2年かけて開発されました。
今回はこのGENTENのエリート、レーシング、スピードトレーニングの3種類を、理学療法士としての運動学的視点とシューフィッターとしての靴の構造的視点、陸上競技選手としての競技視点の3つの視点から解説していきたいと思います。
目次
フィット性がめちゃくちゃ良い!
まずこの3種類共通して言えることが
フィット性の良さ
日本人の踵は比較的小さめと言われているため、それに合わせたヒールカウンターとなっており、ハマりが非常に良い。
このフィット感は後足部のフィット性が最強と言われているアシックスにも匹敵するんじゃないかと思います。
そしてさらにアッパーで前側の甲がやや低く作られており、中足骨レベルでのフィット性が高いです。
後足部、中足骨でのフィット性の高さがランニングシューズの主なフィット性に直結するので、この構造はまさに日本人の足の特徴に合わせたものですね。
グラフェンのグリップ性がハンパない!
皆さんグラフェンって知ってますか?
「奇跡の素材」「夢の素材」なんて言われているグラフェンは、鉄の200 倍の強度がありながら、曲げ伸ばし・折りたたみが可能で原子一層分の薄さと軽量性をもつ「地球上でもっとも薄い物質」とされているそうです。
このグラフェンの発見と研究によって2010年ノーベル物理学賞を受賞した2人の博士を有する
イギリスのマンチェスター大学とシューズブランド「イノヴェイト」が世界で初めてスポーツシューズのアウトソールラバーにグラフェンを搭載することに成功しました。
日本でこの素材をランニングシューズに搭載したのはデサントが初めて。
ランニングシューズとグラフェンは相性が抜群で、EL(エリート)とRC(レーシング)に搭載されているアウトソールのラバー素材はこのグラフェンが使われており、深めの芝生の上とか、サーフェスとアスファルトのつなぎ目とか、ちょっと反射的に予備動作入れそうな場所でも予想外に地面を噛んでおり、グリップ性の高さは最高です。
このシューズを選ぶ一番の理由はこれかもしれないです!
カーボン搭載で短いスピードレースで力を発揮する GENTEN-EL(エリート)
3種類の中で唯一カーボンプレートが入ったエリートタイプ
しかしこのシューズ、フルマラソンでサブ2.5を目指していくシューズではなく、ハーフマラソンや10000mなどのスピードレースで進化を発揮します
厚底の利点はフルマラソンの後半での疲労を抑えるためモノ
しかし捻挫歴のある人にはこの厚底が足関節のグラつきを引き起こしやすいです。
このシューズは短時間のレースでしっかりスピードを出すために作られています。
カーボンプレートは高反発で推進力を増すのが目的ですが、実はそれだけではないです
ランニングは接地したときのアキレス腱や下腿三頭筋の張力も利用して推進力を得ますが、カーボンプレートを入れることでその負荷を減らしつつ反力を更に強めることができます。
アウトソールの表層レベルにプレートがあり、試作の時点で履いた時は割れやすいんじゃないかという懸念もありましたが、その心配はほとんどないとのこと。さらにグラフェンで覆っていることで耐久性は増しています。
もちろん屈曲性は非常に低いので、ハムストリングスなどの腿裏の筋肉や体幹が弱いランナーは身体の回旋が起こりやすく腸脛靭帯炎になりやすいので、しっかりトレーニングが必要です。
こっちがマラソン向け? グリップ性と反発性のバランスが良い GENTEN-RC(レーシング)
高いフィット性にグラフェンによる抜群のグリップ性をもったRC
タイトめなELよりもRCの方がフィット感が良いという方も多いかもしれないです。
アウトソールの溝もMP関節の動きに合わせやすく、シャンクの部分にナイロン製の素材が入っており捻れを防止し、スムーズな重心移動が可能です。
加えて中足部での急激なドロップが走行時に前方への自然な重心移動を促し、骨盤後傾しがちな日本人の前方移動をサポートしてくれます。
多くのランナーにとってトレーニングからレースまで使える万能モデルかなと思います。
スピードトレーニングでは一番使えるかも!? GENTEN-ST(スピードトレーニング)
アッパーのサイドの部分の補強材を増やすことでサポートを強化し、耐久性とフィット性を高め、フラットで幅広なソールを採用することで接地時の安定性を高めているトレーニングモデル
グラフェンは非搭載ではあるものの、そこまでグリップ性が悪いわけではなく、トラックでも十分使えます。(雨の日は少し滑るような気もしますが・・・)
インソールは他のモデルよりも広く内側は高く作られており、内側への崩れを抑えてくれます。
トレーニングモデルといってもスピードトレーニング用なので屈曲性は低いほうです。
これでも反発性は得られるので、安定性と反発性を両立したモデルです。
冬季練習での短距離選手や跳躍選手のトレーニングシューズにももってこいだと思います。
塩尻和也選手が履きます!
3000m障害でリオデジャネイロオリンピックに出場、ジャカルタアジア大会で銅メダルを獲得している塩尻和也選手がアドバイザリー契約をしており、このシューズの完成には彼も関わっているそうです。
彼も地面をダイレクトにしっかり蹴るような走りを好んでいるので、GENTENのコンセプトに合っているのだと思います。
現在は故障中で怪我の治療の専念されているとのことですが、復活してこのシューズを履いて活躍されるのが楽しみですね。
本日デサントの新商品発表会に出席してきました。
今回発表のGENTEN(原点)は僕が微力ながら協力し、完成したシューズです。
僕自身は故障中なのでまだ完成品で走れていませんが、フィット感はとても良かったです。
ぜひお試しください!#デサント #GENTEN #ゲンテン #新薄底https://t.co/1wCZV1KuXL— 塩尻和也 (@_sio_kazu_) November 14, 2019
こんな人にオススメ
・薄底のシューズが好みの人
・足首が緩い人(捻挫歴が何度かある人)(RC、ST)
・短距離・跳躍選手(RC、ST)
・冬季練習での使えるシューズを探している人(ST)
・グリップ性やフィット性を重視している人(EL、RC)
・ハーフマラソンや10000m、5000mなどのスピードレースに出ることが多い人(EL、RC)
今や数多くのメーカーが業界に参入し、流行り廃りはあるものの恐竜的進化を続けているランニングシューズですが、「速く走れるランニングシューズ」の原点を高いレベルで再現したのがこのGENTENシリーズなのではないでしょうか?
群雄割拠となっているランニングシューズ界にまた新しい風が吹きそうです!
このシューズが良いなと思ったら
是非お近くのショップに試し履きに行って下さい!
足の大きさや長さ、感覚などは十人十色
実際に履いてみないとわからないことがたくさんあります
「これが良いと言われた」「これ良さそうだなぁ」と思って試し履きしないで買って履いてみたら全然思っていたよりも違ったなんてことは結構多いです。
返品すれば問題ないこともありますが、そんな面倒なことするなら、是非一瞬でもショップに行って自分で履いた感覚を確かめてくださいね。
もし自分に合ったシューズがわからないという方はお問い合わせください
あなたの動作、足部、競技に合わせたシューズのフィッティングや選択をお手伝いします
最後までお読みいただきありがとうございます